ダウンロードと違法性

ダウンロードされても大丈夫なビジネスモデルを業界が考え出せればよいのにね。
どんどんダウンロードさせたほうがプレゼンスが高まって、結果的にはCDやDVDもよく売れるというモデルはありうると思うんですがどうなんでしょう。
個々のミュージシャン(アーティスト)が賢くなって、ダウンロードさせることで自分のプレゼンスを高めるモデルを考えないのだめなのかな。
…と書いてきて、「パプリカ」のテーマ曲を作った平沢進がフリーでダウンロードさせていたのを思い出した。
以下、再掲。

via http://www.baldanders.info/spiegel/log/200606.html#d12_t2
3ページ目から引用。

平沢氏: メジャーレーベルを辞めて自分で配信するようになってからは、作品の売れ行きは伸びて、マーケットも広がってます。無料のMP3配信を監視していると、ダウンロードが24時間止まらないんです。そうしているうちに、次は世界中からCDの注文が入ってくる。そう考えると、無料で音楽を配信すること、コピープロテクトをかけないことは、プロモーションにつながるんです。これはものすごい威力ですよ。お金を払ってまで欲しいと思ってくれなければ、やってる意味がない。違法コピーしてそれで満足してしまうようなものであれば、それは自分のせいだと。作品がその程度のものでしかないと判断する姿勢を、今のところ持っています。

↑偉いなあ。
音楽じゃないけれど、結城もほぼ同じ意見を持っていて、そのために『数学ガール』の既公開分のPDFはそのままWebで読めるようにしてあります(と我田引水)。

RUCM: 現在Webで公開している作品は、出版後は引っ込めることになりますか?
結城: いえいえ、すでにWebで公開しているものは出版後もずっと公開し続けます。自由に、無料で読むことができます。ユーザ登録も何も要りません。ぜひ、お読みください(あ、でも無理に読まなければならないってわけじゃありません)。
RUCM: こんなことお聞きしてよいのかどうかわかりませんが、一部だとはいえ、無料でWeb公開していたら、御本が売れなくなったりしないんでしょうか。
結城: そんなことはない、と私は思っています。まあ、少なくとも『数学ガール』に関しては、ですが。 Webで公開しているものを見てもらい、興味を持っていただくことのほうが大事だと思っています。
RUCM: Webで公開しているものを読んで「もう十分だから買わなくていいや」とはならないんでしょうか。
結城: ええ、そういうこともあるかもしれません。でも、その読者さんはもともと『数学ガール』という書籍の購買者じゃなかったわけですよね。だから結局、著者として「損」はしないわけです。読者さんも無駄なお金を使わないから「損」をしない。これは良いことだと思います。

『数学ガール』出版記念インタビュー