どこの出版社で本を出すのか

どこの出版社で本を出すのか、ということはけっこう問題だ。最初のうちは選択の余地はない。それに、担当者と親しくなると、「ほかのところで」とは言いにくくなるだろう。しかし、ビジネスというのは、やはりシビアでなければならない。たとえば、A社で出すよりもB社の方が明らかにメリットがある、というケースは多い。簡単な例でいえば、発行部数が全然違うとか、売り方が違うとか、印税率が違うとか、である。作者へのメリットはもちろんだが、読者に対しても、たとえば沢山部数が出る方が手に入りやすく、より大勢の手に届くことになる。

http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/10/post_2207.php

森博嗣氏による。
そういえば森氏は以前「御社で出版したら(御社にとってではなく)著者の私にどういうメリットがありますか?」という質問をするという話をどこかに書いていた(うろ覚えなので引用は不正確)。
それで思い出したけれど、10年近く前、林晴比古氏のエッセイか何かで「仕事の最初に原稿料を聞きます。プロだから当然です」という主旨の文章を読んだことがある。結城はこれを読んでなるほどなあ、と思い、これまでできるだけそれを実践してきた(つもり)。最初の打ち合わせで、機械的に(当然の質問という態度で)尋ねる。
今度、これまで仕事をしたことがない出版社からお仕事の話があったなら「御社で出版したら(御社にとってではなく)著者の私にどういうメリットがありますか?」と聞いてみようかな(そんな偉そうな質問できるかな。どきどき)。
追記
その機会がさっそくあったので、試しにやってみました(どきどき)。